はじめまして。Paris Style(略して「パリスタ」)を運営しているユウキです。
2023年現在、フランス在住23年目になりました。家族は、フランス人の夫と12歳の息子の3人暮らしです。(ミニウサギ3歳も一緒です。)
九州の小さな田舎町で生まれ育った私は、幼い頃から大都会に強い憧れを抱いていました。やがて成長とともに、大学へ行くことこそが大都会に通じると考えるようになり、ひたすら猛勉強を始めたのです。
勉強の合間に聞いていた「アメリカントップ40」というラジオ番組から流れてくる英語の歌が、不思議なくらい耳に心地よかったのを今でもよく覚えています。
そのうち、英語の歌詞をもっとちゃんと理解したくなり、「ラジオ英会話」で英語の独学を開始。
中学生になっても英語の独学を続けている私を見ていた父が、「そんなに英語が好きなら」と、新聞で募集していたイギリスのサマースクールに行かせてくれたのです。
今のように手軽な格安航空券などない時代に、九州の小さな田舎町から2週間のイギリス留学。よくぞそんなハイカラなことをさせてくれたものだと、今でも父には感謝しています。
都会からやって来た日本人中学生たちと過ごすイギリスでの日々は、これ以上ないほど刺激的でした。その上、ヨーロッパ各地の子どもたちも参加していましたから、まさしく異文化のるつぼ状態です。
私以外のみんなはひどく大人びて見え、先生も生徒を子ども扱いなどせず、信頼して責任を持たせてくれることが良い意味でのカルチャーショックでした。
このプチ留学が私にとって人生最初の転機となり、憧れの地は日本の都会を通り越して、はるか外国へと変化していきました。
高校でも私の英語好きは変わらず、大学も英米学科に入学。大学2年を終えたとき、アメリカのアリゾナ州の大学に1年間留学して、写真学部で学びました。
20歳の女の子にとって、アメリカでの1年間は、見るもの聞くもの全てがエキサイティングで楽しかったです。外国への憧れが、ますます強くなったのは言うまでもありません。
2年後、大学卒業を迎えます。就職活動にはかなり苦戦しましたが、なんとか内定を確保して、無事に卒業旅行へ。これが私の人生で、二度目の転機になりました。
旅の目的地はメキシコ。ただの旅ではなく、絶滅危機動物を保護するという特種なもので、狼や、七面鳥、魚を保護している団体と一緒にメキシコ山中で2週間を過ごしました。
このとき出会ったのが、今の夫です。ジャズのギタリストだった彼と、帰国後に2年間のEメール文通を経て、私が渡仏して結婚。
深く考えずにフランスにやって来た私を待ちうけていたのは、言葉と文化の壁でした。
最初の5年ぐらいは、大変などという言葉では語り尽くせないレベル。苦労の連続の毎日だったのに、よくぞ逃げ帰らなかったものだと今でも思います。
渡仏当初の2年ほどは南仏で暮らしていたのですが、その後、やっぱり何か仕事がしたいと考えてパリに上京しました。
初めて雇ってもらったのは、小さな服飾関係の日本企業。
フランス企業とのやりとりでは、驚くことばかりでした。こちらがオーダーした色がない場合は、「似ているからいいでしょう」と違う色の製品を平気で送ってくるなんて日常茶飯事。
クレームをつけても、「5%のミスは当たり前」という始末。やはり文化の壁は厚いですね。
その後、観光関連業のインターナショナルな会社へ転職。ここで初めて、少しだけフランス人を理解できるようになった気がします。
それでも、気軽に「お茶しよう」と言えるフランス人の友だちができるまでには、2年もかかりました。
次に転職したのが今の会社で、前職と同業の観光関連企業です。世界からパリにやってくるお客さんの対応を任されて、10年ちょっと経ちました。
子どもが生まれたのをきっかけに、ミュージシャンだった夫が予想外に正社員就職。それにともなって、パリ近郊への予想外の引っ越し。
予想外のことばかりだけど、フランスとはそういう国なのです。
最近は、フランスって本当に面白いと思えるし、フランスでの生活を心から楽しめるようになりました。
フランス人もフランスという国も、掘り下げていけばいくほど驚くような発見がいっぱい!
パリスタでは、そんなフランスの魅力をお伝えしていきます。パリ旅行を計画中の方や、パリに興味のある方のお役に立てれば幸いです。