フランスのロックダウンさらに5月11日まで延長とマクロン大統領が発表

コラム

4月13日の夜、マクロン大統領のスピーチがあった。

2、3日前までは「フランスのロックダウンは4月15日までとなっていたけど、2回目の延長と言うんだろう。3月17日から始まり、もうすぐ1ヶ月だし、4月末までかな…」とぼんやりと思っていた。
うちにはテレビもないし、普段は20時の大統領発表をダイレクトで聞こうなんて思ったこともないのに今回は違う。私もネットラジオで準備して待ち受けていた。ちなみにこのスピーチはこれまでになかった3670万人という最高記録の視聴者数だったらしい。

そして待ちに待ったロックダウンの期日。いきなり5月11日まで延長・・・。
目の前が一瞬真っ暗になった・・・。

マクロン大統領のスピーチのまとめはこちら:
− 集中治療室に入る人の数などは減少傾向にあり、希望が生まれてきたが、まだ病院も手いっぱいで今までの厳しい外出制限を続ける必要がある。みんながこの制限を守り、コロナウイルスの感染拡大を防ぐことができれば5月11日からは徐々にロックダウン解除ができるかもしれない。

− 5月11日からロックダウン解除となっても高齢者、障害者、持病持ちの弱者などは引き続き外出規制となる。この間も治療を続けたり、病院や老人ホームで最期を迎える人に家族などが会えるよう環境を整えるよう要請。

− 5月11日から託児所、小中高校は段階的に再開するが、大学は夏まで通常授業はなし( 又はオンライン授業のみ )。ということは実質、こちらの新学期9月まで大学はないことになる。

− 5月11日以降もレストランなどの飲食店、映画館、美術館、劇場など人が集まる場所は閉鎖のまま。イベントや行事なども7月半ばまで開催不可。

− 経済的支援の拡大について:

  • 既に800万人の部分的失業者の約8割の給与を政府負担しているが、企業に対しての支援も拡大、長期化する。
  • 観光、ホテル、飲食、文化、イベント業などのダメージが大きい分野に取る特別経済措置を4月15日以降の閣僚会議で決めていく。
  • 子どものいる貧しい家庭に手当を支給する。

− 5月11日以降、全ての国民にマスクを配布して、交通機関などでの着用を必須とする。症状がある全ての人のテストができるようにする。陽性反応が出た場合、隔離されて治療となる。(症状がない人は検査はしない。)

− EU以外の国境は閉鎖を続行。

− この2週間以内に5月11日以降の計画を発表する予定。

− ワクチン開発は数ヶ月かかるだろうが、研究者たちが日夜取り組み、臨床試験も行って開発に力を入れている。

− アフリカがコロナウイルスと戦えるように経済面でも支援する必要がある。

この発表に対するフランス人の反応は、まあ仕方がないというようなものだったらしい。それでも一番物議をかもし出したのは“5月11日から託児所、小中高校は段階的に再開する” というもの。

私も一瞬???と思った。子どもの学校閉鎖は事実上のロックダウンより1日早く始まり、その発表から3,4日後にはレストランなどの閉鎖、会社もテレワークの完全ロックダウンとなった。それなのに子どもの学校を一番早く開けるというのは矛盾していないか?
“自宅学習では親が教えることができない家庭もあり、学びの不平等が起こっているから学校再開を最優先課題とする”という考えに基づいたらしい。
確かにテレワークで仕事をしながら親が学校の先生をすることはすごく大変なのは事実。私も母国語でないフランス語の勉強は前もって確かめたりしないといけないし、算数の教え方も私達の時代とは違う気もする。前準備にかなり時間と労力がかかってしまう上に勉強している最中に仕事の電話がかかってきたりすると、なかなか子どもも親も集中できない。

しかし、9歳になっても手をいつも洗うという概念がすっぱ抜けているうちの息子・・・。ママ友や子どものいる同僚と話しても、「子どもは手を洗わない。それで免疫力をつけててコロナになっても症状が出ずに大人にうつすんだろう」なんて笑っていたけど、自分の子どもたちは5月11日以降も学校には行かせないかもしれない、と言っている。

ロックダウン延長も問題だけど、今度は解除の問題も出てきた。
ただ今の私達にできる最低限のことはコロナウイルスの進行を止めるためにロックダウンを守ることだろう。そしてこれから避けることが難しい不況に備えてメンタルを鍛えておくことだろうか。

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